2010年 一覧

秋祭り。

僕の住む中野市の吉田地区では、22日23日の2日間にわたり秋祭りがありました。
今年は親戚のおじちゃんが氏子総代を務めるので、親類みんなでお手伝いにいきました。

氏子総代の家では、お祭りの神輿や獅子を招いて神事を行ってもらい、
お返しに酒と料理を振る舞います。
朝も早よから、男性達は家の襖や窓を外し、灯籠やら提灯を用意して、
女性達は料理をせっせと用意します。
神社では村の人達が祭りの準備に一所懸命です。
準備が整い、いよいよ祭りが始まります。
行列がおはやしを響かせて、神社から氏子総代の家に向かいます。
 
一通り神事が行われると、宴会が始まります。
とても和やか。
襖を外せば大広間になって、随分沢山の人が入れるんですね。
昔ながらの間取りの家じゃないと氏子総代は務まらないのかな。
さて、夜になり氏子総代の家では獅子舞の奉納が行われます。
今夜の叔父ちゃんはいつになくシブい!。
吉田では獅子舞は子供が中心。
がんばって練習しているのでしょう、とても上手に舞っています。
今度は夜の道を神社に戻ります。
神社の境内でも、獅子舞が披露されました。
夜中まで祭りは続き、明日も続きます。
この日は朝からお酒と料理の準備、片付け、準備、片付け、準備、片付け・・・、
なんであんなに何回もあったのか分かりませんが、
かわるがわるお酒と料理を振る舞うので、親戚みんなで大忙し。
明日に備えてよく眠りましょう・・・ZZZZZ。
次の日、再び氏子総代の家に行列がやって来ました。
神事が行われ、宴会へ、若者達が演芸で盛り上げてくれます。
イノキが司会で「イチロー」の時事ネタなどなど、期待以上に面白くみんなでよく笑いました。
田舎っていいもんだな~と思える和やかな雰囲気。
親戚一同は2日間大変だったけれども、
祭りを見るだけじゃなくて参加することで見えて来ることもあり、
僕としてはとてもいい経験でした。
まぁ、来年もおじちゃんが氏子総代ですと言われたら、いやですけど・・・ね。
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土蔵が戻った。

さてさて、前回のブログで動いた!土蔵が元の位置に戻りました。
動くのは一度見たものの、やはり驚きがあります。

土蔵の建っていた位置に新しい基礎をつくっています。
基礎の上に土台を設置し、再び木のレールが準備されました。
う~~しょ!人力全開でひっぱります。
一日かけて東から西にうごきました。北から南方向にもう一息。
こんなに年季の入った道具ですが、押す力はすごい強いみたいです。
いや~すごい!元通りの位置にピッタと戻りました。
お次ぎは、大工さんの登場です。腐った柱と交換する柱を現場で作っています。
今の普通の家は工場で作られた柱を使うので、現場では組み立てるだけということが多いとか。
腐った所を一カ所ずつ、慎重に交換していきます。
これは東側の柱の補修の様子。下部だけが腐っているので、途中から新しい柱に入れ替えています。
金物などで繋ぐのではなく、鍵上に切り出した材料をピタッと組み合わせ、
クサビを打ち込んで仕上げています。
おそらくは木の性質を熟知した日本の大工さんにしか出来ない技じゃないでしょうか。
さぁ、腐っていた柱が新しい柱に置き換わり、蔵が蘇り始めました。
後は新しい土台に、ホゾが収まれば一息つけます。
土蔵をゆっくりと下ろしていきます。
古い柱のホゾは、おおよそ100年前の大工さんが作ったもの。
新しい土台のホゾ穴は、今の大工さんが作ったもの。
グググ、グッグ、ゆっくりと収まっていきます。
引き屋さんがゆっくりと下ろし、大工さんがホゾを微調整していきます。
グググ、ゆっくりとホゾがホゾ穴に沈んでいきます。
お見事!ピッタッと決まりました。
お祭りのような、ある種の興奮とともに、
職人さん達の手で、土蔵が新たに生まれ変わったかのようです。
この後は、大工さんと左官屋さんで、壁や、床、扉などの修復作業です。
土蔵の中に入ってみると、どんな展示スペースになるのかワクワクと楽しみになってきました。
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土蔵が動いた!

うちには古い土蔵があり、昨年建った住居と工房で中庭が出来るプランになっています。
古いだけあってあれこれ補修がしてあり、あまり美しいとは言えないので、
住居を建てるのと一緒に直す予定でした。
しかし、大工さんが土蔵の様子をよく見てみると、東側や北側の柱や土台が腐っていて、
簡単には直らないとのこと。
壊すにしても、残すにしても、なかなかの大工事になりそう・・・。
さて、あれこれと家族で話し合った結果、やっぱり直して残そうよと。
思い切って展示スペースにしちゃおうよと。
土台が腐ってる上に、昔の石の基礎にのっている蔵を直す。
言葉で言うのは簡単だけれど、いったいどうやって直すのか?
いったんバラバラにするのかな?腐ったとこだけ入れ替えるとか出来るの?
昔の基礎は低いし、直してもまたすぐ駄目になっちゃうんじゃ?
壊さないで家の土台が直るものでしょうか?どうやるのでしょうか?
実は動かしちゃうそうなんです!
家を!てか土蔵なので相当重いと思うのですが、動かしちゃうのです。

いよいよ始まります。
北側の壁を崩してみると、シロアリにやられたか、
柱がすかすかのウエハースみたいになっています。
年代物のジャッキで、おいこらしょっと持ち上げていきます。
土蔵を動かす「引き屋さん」はなんと2人で全ての仕事をしています。
木で作られたレールに載せられて、いよいよ動かします。
この日ばかりは助っ人がくるのかと思いきや、やっぱり2人で動かす!とか。
まじですか?!
原始的と言っては悪いのかもしれませんが、鉄のコロにのせて転がします。
特殊な押す道具で少しずつ慎重に動かします。
ここまで全て人力のみです。
さあ、北側へ横に動きました。
また数日後、今度は東側に大きく動きます。
さすがに助っ人が沢山くるかなって思ったら、今日も2人だけ、しかも人力でいくそうです!
今度はこんな道具が飛び出しました。
引き屋の職人さんが1人でひっぱり、1人はコロの調整です。
目の前の光景が現実とは思えません。確かにユックリと動いています。
手前が元あった場所、随分動きました。
 
元の位置に、新しい基礎を作り、土台を作って戻します。
どんなSFの超大作より、目の前の出来事の方がスリリングでワクワクに思えた日でした。
昔話で、借金の形に蔵を取られたなんて話を聞いたことがありましたが、
比喩かなにかなんだと思っていたら、実際持っていっちゃうてことだったんでしょうか。
どうなんでしょう?
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