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4月, 2015 | nakagawa takeji

2015年04月 一覧

先生と呼ばれること。

作家を始めて3年目、もう干支も一周するくらい前のこと、
横浜で個展をしたギャラリーのオーナーが言っていたことだ。
僕が作家というだけでギャラリーのオーナーやお客さんに
「先生」と呼ばれることに違和感があると話すと、
「先に生まれると書いて、先生だからね。中川さんは僕よりもずっと若いけど、
僕は木工の経験は0年だから、木の世界には中川さんが先に生まれていることになるよね。」
と返されて、納得してしまった。

うちの三姉妹を見ていても、
長女は次女の先生であり、次女は三女の先生であることがよくわかる。
どこの家でも2番目3番目の子供の方が、話すのが早くなり、着替えや歯磨きも簡単に覚える。

学ぶことの質にもよるけど、時として子供の「先生」は親より子供の方が向いていたりする。
言って聞かせるよりも、見て真似をする方が早い上に、自発的になれる。
「学び」の語源が「真似る」というのは、どうやら間違いなさそうだ。

先日、母校の武蔵野美術大学で講義をしてきた。
今年は何回か講義があるからか、十時教授が生徒たちに「中川先生です」と紹介してくださり、
ドキッとした。
作家を「先生」と呼ぶのだから、
少し前を歩く木工家として「先生」であることは違いないのだけれど、
工房には恩師である十時先生、田代先生、藤井先生(僕の学生の時の助手さん)がいて、
「中川先生です」と呼ばれるまで、なんとなく生徒側にいたというか、
間違った木工機械の使い方をしていたらケツをひっぱたかれるんじゃないかとか、
考えの浅いアイデアを見せたら厳しく言われるんじゃないかとか、
学生の時の緊張感が工房の中なのか僕の中なのか、今でも残っているらしく、
まさか自分が先生側に立っていると思えていなかった。

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長女のももは次女のうめにとって憧れの存在らしい。
うめはももが絵を描いていると、
ピッタリ横にくっついて、ジーッと色鉛筆の先を目で追っている。
ももが本を読んでいると、横に座って声に出して読んでくれと頼む。
ももが宿題のドリルをやっていると、私も!というので迷路のドリルを買ってやると、
ももが勉強中は迷路をずーとやっている。
気がつけば、うめの絵も僕らが驚くぐらい上手だし、
字は読めないのに覚えた絵本を読んでいたりする。

それだけうめが真似をしたくなる「先生」のももはすごいんだなぁと驚いていると、
三女のさくらはうめのすることがしたくてしたくて、うめの横で真似をしている。
うめもいつのまにか憧れの「先生」になっているじゃないか。

僕も武蔵美の木工工房でうめくらいには成れるように頑張らなくちゃいけない。
僕が先生から学んだように、生徒たちが木工の世界に先に生まれた僕から、
真似をすることが少しでもあれば嬉しい。

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木工工房は来春には、新工房に移転するそうで、
僕が木工と出会ったこの工房とは今年限りでお別れ。
ちょっと寂しいね。

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田代先生、藤井先生と一緒に4年生のアイデアチェック。
結構面白いアイデアが幾つもあったので感心してしまった。
あとは時間の限り手を動かして、試行錯誤して、密度ある作品にできるといいなと思う。
僕が学生の時、スケッチを見せた先生たちに「もっと展開させたほうがいい」とも、
「このアイデアでどんどん進めなさい」ともいわれ混乱したのを思い出した。
一つのアイデアでも先生によっては全く違う意見になるんだなと思った。
学生としては褒めらたほうが嬉しいわけだけど、
否定的な意見もまたアイデアを深めてくれたと思う。

学校を出るとわかることがあって、
先生たちにアイデアを見てもらえるのって、あたりまえだけど今だけ。
下手でもいいのでとにかく見せるものを出すことが大切だと思う。
とくに大事なのはダメ出しをもらえること。
学校を出ると、自分の作品を好きな人と話す機会は増えていくけれど、
自分の作品のダメなところを指摘してくれる人にはめったに会うことがない。
そもそも、だめだなぁと思っている人はわざわざ個展に来てくれないんだね。
褒められることも大事だけど、否定されることは貴重。
あと他の生徒が講評されるのを聞くのも勉強になった。
先生が何を褒めて、何にダメ出しをするのか、先生の感覚を真似するチャンスになると思う。

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まるごと一冊、信州中野!

先月、別冊KURA「信州中野」が発刊されました。
一冊の本で一つの市町村を特集するという、とても面白い試みです。

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♪うさぎお〜いし、かのやま〜♫
♪こぶなつ〜りし、かのかわ〜♫
で、おなじみの唱歌「ふるさと」は、中野市出身の高野辰之さんの作詞です。
表紙の「『故郷』のふるさと」は中野市の人なら誰の心にも響いている言葉です。

さて、この特集は大きく分けて、中野市の「過去」「現在」「未来」の三部構成になっています。
その「未来」にあたるパートで僕のことを取り上げていただきました。
今回は作品よりも仕事のことや移住のことなど、中野市で暮らしていくことについて、
今までのことやこれからのことをお話ししました。

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中野市の「未来」には、きっと僕たちの生み出す「新たなまちの文化」が必要になるはず。
伝統工芸など、伝統文化と言われたり思われているものは、
実際調べてみると100年くらい前に始まっていたり、
江戸の終わりぐらいに始まったもの(寄木細工など)が多かったりします。
寄木細工200年とすると、ぼくが寄木をは初めて17年ですから、
人類の歴史くらいの尺度で見れば、伝統とはその程度のものとも言えます。
過去や伝統を重んじることは大前提ですが、「新たなまちの文化」を生み出し、
僕たちの生きる時代の僕たちの文化を中野市から発信していければと思います。

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「僕らのまち、中野の未来を考える。」と題して、
「3RD」カフェ(http://3rdcafe.jp) のオーナーの関さんと、
「refalt」という服屋さん(http://refalt.exblog.jp) の堀井さん、
レストラン「MUSE」(http://muse1999.sakura.ne.jp) のシェフ小坂さんと、
僕の4人で座談会の様子がが6ページにわたって記事になっています。

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たった4人でどれだけこの世代の気持ちが代弁できているかわかりませんが、
それぞれの生き方や考え方から、未来へ繋がる可能性や多様性を感じていただければ嬉しいです。

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普段は異業種の人と話す機会がが少ないので、この座談会は僕自身にとって、
とても刺激的で有意義でした。
若い世代で繋がり合いながら、もっと若い人たちにとっても暮らしやすく、
楽しいことや、生き甲斐の多い中野市にしていけたらと思いました。

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さて、このページはUターン、Iターンの特集です。
僕自身は埼玉県生まれで埼玉県育ち、作品を作る工房を持つために中野市に越してきましたが、
父親の実家のアパートに越してきたので、Iターンような、Uターンのような感じで、
「I」も「U」も何かしっくりきません。
なので、親の実家の田舎に移住するのを「Jターン」というのはどうかと思いました。
僕の移住経験だと、親や祖母や祖父のことを知る人がいる場所に移住するのは、
全くの新天地よりずっとすんなり移住できたように思います。
祖父に世話になったという人が手を貸してくれたり、世話を焼いてくれたりと、
Iターンのような孤立無援さはなく、Uターンのような都落ち感もない、
親の田舎にJターン、これからの新しい生き方にぴったりな気がします。

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中野市の特集ということもあり、今のところ読者の多くは中野市の方々なのかなと思います。
というわけで、今回は今までになく直接の反響をいただくことができました。
娘の入園式の日には「お父さん、作家さんだったんですね」と、
保育士さんやお母さん方に声をかけられたり、
親戚の家にお線香をあげに行ったら「ご活躍ね〜!」といわれたり、
ぽんぽこの湯に入りに行っても、「見ましたよ〜!」「どっかで見た顔だと思ったら」と、
初めて会う方や、今まで顔は知っていたけれど僕の仕事は知らなかった方など、
多くの方に、褒めてもらったり、驚かれたりと、とてもうれしい気持ちです。

僕を編集部に推薦してくださった方々、
まちなみカントリープレス編集部方々には、心から感謝をいたします。
ありがとうございました。

別冊KURA「信州中野」は中野市の人が中野市をもっと好きになれる一冊ですが、
中野市の外に、長野県から日本全国に、
中野市のファンを一人でも多くつくるたもの一冊でもあります。
興味のある方がありましたら、
http://www.nao-magazine.jp/cp/online/index_3_main.html
このカントリープレスのサイトからも購入できそうです。

秋に予定している信州中野での個展に(春に東京で予定していましたが諸事情で変更しました)、
行ってみようかな〜?と思われる方がありましたら、
中野市ガイドとして是非お手にとってみてください。
個展の延期については、とってもよい依頼があったので、
予定のバランスを考え直す必要があったためです。
よい依頼は展覧会の依頼なのですが、
詳しくはもう少し具体的になってから改めてブログに書きます。

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