2008年 一覧

『江固二のエコジャポン』第二回

電車に乗り席に座ると、不思議が目に飛び込んできた。
目の前に座っている若者がいろいろと気になるのだ。
帽子のつばが斜めになってしまっているは、
おそらくズッコケ三人組のファンなのだろう。
それは理解できたが、驚くべきはその若者、
耳から糸を出し、小さな四角いもの見つめニヤニヤしているのだ。
二駅我慢したが、抑えられない好奇心に身を委ねた。
「その耳から出てるものは何なんですか?」
思いきった。
「はぁ?何ってアイポッドだけど・・・ちょっと、何よ。」
若者は帽子のつばも直さずに答えた。
「え、ポット?・・・ほぅ、ヘソで茶を沸かす何てなことはいうけれど、
東京の人は耳で茶をねぇ。」
お湯はそのつど必要な量を沸かすほうが、電気ポットを使うよりエコだとは思うが、
耳で沸かせるのであれば越した事はない。
「じゃ、そっちは?何を見てニヤニヤしてるの。」
「ニヤニヤしてないよ失礼だなぁ、これはケータイ。」
あぁ、これがケータイか。
さすがに江固二も聞いたことはあったが、たしか電話じゃなかったと思った。
若者は困惑している江固二に、
メールのことやミクシーやらモバゲーのことなどを教えてくれた。
複雑だけれど全体としては友達ができるもののようだと理解した。
顔も分からない人間を友達と呼ぶのには抵抗を感じたが、
特定の場所に行かなくとも、
手紙すら書かなくても友達ができるなんてエコだなぁと思った。
人間関係までエコマークである。
東京のエコはかなり進んでいるのだ。
江固二はスローなだけじゃだめだと反省し、かぶっていた帽子を少し斜めにした。
つづく。

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新連載、省説?『江固二のエコジャポン』

今回からこのブログの新しい試みとして、
とってもエコな連載省説をお送りします。
省エネで筆を進めますので、短いうえに不定期連載です。
おヒマな時に読んで下さい。
『江固二のエコジャポン』第一回
~東京エコウォッチ~
今日は朝から憂鬱だった。
もうすぐ新幹線は東京駅に到着する、
窓から見える連なるビルが張りボテのように見えた。
東京は中学の修学旅行以来だなぁ、あの時は班行動から外れて、
苗木を手に東京砂漠は何処ですか?なんて聞いて回たっけ。
自分はあの頃からエコなやつだったなと思いだし、少し気が晴れた。
そうそう、僕の名前は毎橋江固二、エコでロハスな29歳。
とある田舎でスローなライフを送ってます、よろしく!
只今14年ぶりの東京に緊張中。
乗換えで切符を買い、改札を通ろうとして不思議なことに気がついた。
江固二にとっては自動改札自体が珍しいのだが、
そこを通る人は、切符を入れずに財布を押し当て通過していく。
「す、すいません、それどういうことになってるんですか?」
サラリーマン風の男性に思わず声をかけた。
「スイカですけど・・・。スイカ。」
江固二がきょとんとした顔をしていると、
「このカードです。」
と、サイフから取り出し、券売機で買えることと、
お金をチャージして使うことを教えてくれた。
「すごいです!ありがとうございます。」
東京にも親切な人がいるものだと、江固二はぺこりと頭を下げた。
それにしても危なかった。
「スイカ」って言われて思わず、
「あーはいはい、夏になると、よく伯父さんが買って来て、
ほらやるぞ!なんて言われると、子供たちがワラワラ集まって来て、
目隠しして、棒もって・・・。
って、財布に入るかよっ!あと、イントネーションおかしいぞっ!」
とか、つっこむ場面なのかと思った。
そういうチャンスをくれてる優しいリーマンかと。
切符を払い戻し、さっそくスイカを買い、
改札を通る、ピッ、カードはかざすだけ。
信じられない便利さだ。
しかもこれで切符の無駄が省ける、エコだよね。
今日は幸先の良いエコスタートがきれて、気分がよい。
つづく。
前々回のブログで生まれた、毎橋江固二が気に入ってしまい主人公に。
性格などの設定はちょっと違いますが、依怙地にエコなやつです。
よろしくどうぞ。
お話を書いてみようと思ったのはよいのですが、
そもそも一人称とか三人称の文章とかの使い分けが分からず、
結果まぜこぜに。
まぁ、「三文小説」より安い「ゼロ文省説」なんでご愛嬌です。

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本間友幸個展へ。


今日は東京の広尾にある「ギャラリー旬」に、
本間友幸兄貴の個展を見に行ってきました。
気合の入った作品がずらり並び、圧巻でした。
ギャラリーの趣向が色濃い会場ですが、
作品との相性もよく心地よい空間を楽しめました。
多数の個展を重ね、東京でも積極的に活動の場を広げる兄貴。
長野の若手工芸家の旗手としてがんばる姿に刺激を受けます。

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