2014年09月 一覧

武蔵野美術大学、特別講義。

先日、母校の武蔵野美術大学で特別講義をしてきました。
十時先生から、工芸工業デザイン学科の木工工房の3年生に
「作家」として活動していくヒントになるような話しをして欲しいと頼まれたのです。

まぁ、難しく考えすぎずに、
僕は「作家」としてどんなことをしてきたかを話せばいいかな、と思いました。
長野に移り住んでから今までの作品写真や、制作風景、工房の様子、展示風景・・・
大学を卒業後14年分の写真データをパソコンやDVDからひっくり返して、
3年生たちに伝えるべきことをピックアップして、
気がつけば500枚近くの写真が集まっていました。
90分の講義に収まるのか?と心配になりつつも
いくつかの作品をコンテナに詰め込んで、東京は小平へと出掛けました。

大学の3年というと進路のことが頭をよぎるころですね。
就職して「デザイナー」になるか、
自分の手でものを作りつづける「作家」になるか。
大まかに分ければ工芸工業デザイン学科の生徒の進路はこの2択かなと思います。
どのような道に進むにしろ、
木を実際に削りながら学んだ経験を、社会で役立てて欲しいです。

DSC01427

木工専攻の3年生は多いらしく、
講義をする部屋に入ると、たくさんの生徒がいて驚きました。

DSC01403

国産の針葉樹で取り組んでいる家具の話しもしました。
生徒たちの中で1人でもいいので、針葉樹の問題に取り組んでいって欲しいです。

DSC01430

いくつか作品を持っていって、実際に手にしてもらいました。
木工作家にとって作品は商品の側面もあるので、
受け手のことを考え、こだわりや仕上がりも自己満足だけではだめ、
バランスを持って作って行くことなどを話しました。

DSC01422

DSC01435

僕は木のおもちゃや置き物を作って作家をやって来ました。
一般的に平面的であった寄木や象嵌の表現を立体的に考え、
木の表現の世界を少し押し広げて来たように思っています。
今の生徒たちはきっと
僕には思いもよらない木の表現を生み出して行ってくれるだろうと思います。
質疑応答などからも、生徒たちの真剣さが伝わってきました。
後輩たちの将来が楽しみです!

DSC01439

午後は2年生を中心に講義をしました。
講義に使用したスライド写真の最初は工房北側からの中野市の風景です。
地方出身の生徒も多いので、田舎で活動する利点などもお話ししました。
僕は田舎の工房から日本全国に世界各国に向けて制作しているつもりです。
大げさなようですが、思っていないことは実現できないので、夢は大きく持ちたいです。

さて、武蔵野美術大学の木工工房は
日本で唯一の四年制大学で木工が学べる場所です。
作家活動をしている中で、自分の技術や、表現、ものを見る目に自信を持ってやって来れたのは、
この日本で唯一の工房で学んだ基礎があったからです。
また、海外の木工作家や木の作品を見ていると、
日本の木工の技術は間違いなくトップレベルにあります。
大げさなようですが、
武蔵美の木工工房で学んだ生徒は必然的に世界がステージだと僕は思います。
1人でも多くの後輩たちが木の表現の世界を押し広げ、活躍してくれることを願っています。

コメントをどうぞ

木の匠たち展、終りました。

6月の個展から9月のグループ展と息をつかずに突っ走りました。
無事に終了できてほんとよかったです。

木の匠たち展では初めて僕の作品を見てもらう方も多く、
「木の色だけで表現しています」「寄木細工や木象嵌などと呼ばれる技法で作っています」
など、木の名前や技術のことを説明する機会が多くありました。
いつの間にか、作家の駆け出しのころの気持ちに戻って、
木の魅力を伝えることに努めていました。
「匠」に加わり「初心」に戻るとは、不思議な感じがします。
なんだか清々しい気持ちにもなりました。

そしてまた、言葉で寄木の魅力を伝えることの難しさを前にすると、
何度も個展に足を運んで下さる方への感謝の気持ちが湧きました。
今回もよく知ったお顔に会うことができ、誰によって自分が作家でいられ、
「匠」と呼ばれるようになれるのかを実感しました。
ありがとうございます!
これからも「匠」により近づけるように、よりよい作品を一つずつ作っていきます。

DSC01250

DSC01267

コメントをどうぞ

「木の匠たち」展 2014 はじまりました。

展示の搬入日からへとへとで、はじまりのお知らせ遅れました。
すでに金曜日より「木の匠たち」展はじまっております。

DSC01200

会場の蔵シック館は元酒屋さんの店舗を改装したもの。
建物自体も観るべきところが多くあります。

DSC01118

僕の展示場所は奥の方の部屋です。
搬入展示の様子、影山がせっせと家具を組み立てています。

DSC01121_2

展示部屋が少し狭かったか、ちょっと窮屈になってしまったかな。

DSC01173

DSC01233

DSC01153

DSC01238

夕方6時までやっていますので、行楽や仕事の帰りにも、ぜひ立ち寄って下さい。

DSC01116

徒歩でもすぐそこに松本城があります。
松本観光も合わせて楽しんで下さいね!

9月8日(月)まで開催しております。

コメントをどうぞ