2010年11月 一覧

蔵途中。

ここ数日で一段と寒くなり、暖房がかかせない北信州です。
土蔵の改築もいよいよ大詰め、
左官屋さんと塗装屋さんが毎日こつこつと仕上げてくれています。

足場が外れたら、きっと奇麗な姿が見えるはず。
外側は漆喰を塗れば仕上がりです。
内部は柱が沢山あるので、新しく改築した所と、古い所が混在していておもしろいです。
改築前は全面2階建てでしたが、改築後は半分が吹き抜けになります。
まだちょっと写真ではお伝えできませんが、
改築前は薄暗く窮屈な印象でしたが、随分と開放的になりました。
ご先祖さんは蔵をどう利用していたのか?暖房のために中で火を使たのか?
1階の柱はいい感じにススで真っ黒になっています。
この色に合わせて、柱などの木部は柿渋に黒い顔料を混ぜたもので仕上げます。
と思っていたら、外部を塗装した塗装屋さんが、
古い木に顔料を塗り込む作業があまりに大変で、
腱鞘炎になりそうになってしまい、塗装方法を再検討。
作品でも使用している自然塗料のオイルに顔料を混ぜたもので
同程度の仕上がりを得られるものがあり、一安心。
これならススの黒に近いマットで品のある仕上がりが得られそうです。
内も外もあともう少し、出来上がりが楽しみです。
どんな展示空間になるか、そしてどんな展示をしようか、楽しみはつきません。
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金具屋。

先日、隣町にある歴史の宿『金具屋』に行ってきました。
中野市の周りには温泉郷が沢山あります。
その一つにウチから車で15分程度のところに、渋温泉郷があり、そこに金具屋はあります。
そんな近くにわざわざ泊まることもないのでしょうが、
家のギャラリーが完成し、来年あたりに個展を開こうと考えているので、
中野周辺でおすすめの宿や、食事所を聞き取り調査し、
ちゃんと自分で体験してみようと、暇を見つけて出かけているのです。

木造四階建ての建物自体が見物の宿ということで、毎日開催の館内文化財巡りに参加。
国の登録有形文化財と言うだけのことはあり、随所に宮大工の技が、
ふんだんに、これでもかって程、、、ん、やり過ぎじゃね、ってぐらい施されています。
宿泊客が食事をする大広間は120~150畳はあろうかという木造大空間!
広い!広すぎる!普通の家なら12畳でも広いと思うけれど、
自分がこびとにでもなったかと感じるような、スケール感が狂います。
温泉は大きな湯が3つ、小さな湯が5つもあり、小さな湯は貸し切り風呂です。
子ども連れだと、温泉が熱すぎて子どもが入れずってこともありますが、
ここなら小さな貸し切り風呂をぬるめて入れるので、助かります。
色々な趣向の温泉を楽しめば、あっという間に時間は過ぎ、夕食を食べ、
子どもを寝かしつけたら、また温泉、
ここ数日の寒さで冷えきって凝っていた体もポカポカと疲れが抜けました。
この過剰な建物に、沢山の温泉、継ぎはぎされたような空間は迷路のようで、
なんか『千と千尋の神隠し』みたいだなぁと、ボヤ~ッと考えていました。
それもその筈、帰って来て『金具屋』をネットで調べてみると、
この宿は『千と千尋の神隠し』の湯屋のモデルのひとつと言われているらしいです。
思わず、ポンッと膝を打ちました。
建築に興味のある人や、とにかく温泉を楽しみたい人にはいい宿ではないかと思いました。
そんな人にはおすすめの宿です。
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まどぎわ。

「 おとうさんが木のおもちゃを作れると、お子さんは幸せね!」
なんてなことを、時々言ってもらうことがあります。
幸せかどうかは本人しか分からないところでしょうから、わかりませんが、
娘は生まれた時から木のおもちゃが周りにあり、
僕の仕事場をのぞきに来ては、木っ端をもらっていっておもちゃ箱に加えて遊んだりしています。
ただ、制作者の目から見ると意図していることとは随分違った遊び方が主なようす。
いつ頃、具体的な何か(乗り物)をつくるのかなぁと眺めること3年半、
ようやっと「消防車!」なるものをつくったと見せてくれました。
これが「消防車?」かどうかはさておき、
具体的なものをつくるのってけっこう難しいのだねと再認識。
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