大琳派展 ~継承と変奏~
先日、上野の東京国立博物館に「大琳派展 ~継承と変奏~」を見に行きました。
これだけ沢山の「琳派」の作品が集まる機会もそうないというので行きましたが、
あまりの作品の多さに満腹、満足なうえ、平日なのに大混雑で、
もう数年は「おかわりはいりません」と思ってしまいました。
とはいえ、海外のコレクションからも運ばれてきた名作、名品の数々は
「琳派」という数百年の時に耐えた普遍的な美を伝え、
いわゆる日本的というか、
J~とか、サムライジャパンや、クールジャパンなどなど、
日本に居ながらにしてアチラから見たような、
屈折した意識では表現することのできなくなってしまった
「日本の美」の存在を教えてくれているように思いました。
題名にあるように数百年という時の中で継承され、変わりながら、奏でられた、
琳派の美のダイナミズムや完成度の高さは、
移ろいやすい現代の美術や表現では、奏でることが難しいもののように思います。
まぁとにかく、酒井抱一の超絶的な色彩感覚、構図のバランス、
強く伸びやかな筆づかい、繊細な細部、どこを見てもめちゃすごいです。
一人で描いたのか、組織的に描いたのか、詳しくは知りませんが、
いくつもの天才的な才能を持ち合わせた、類まれな人だと思いました。
光悦、宗達、光琳、乾山、抱一、基一、と受け継ぎながらも、
それぞれが強い個性を持ちえたというのは、
今のような、短いスパンの中で人と違うこと奇抜であることを個性的とする、
独り歩きな「個性」のありようを、自分の仕事を含め考えさせられました。
混んでるのがいやじゃなければ、日本の美を感じに、
「大琳派展」に行ってみてもいいんじゃない?、おすすめです。