はじまりました。

28日から僕も参加している『信州の工芸家展 ~4人の作家の表情~』が、
長野県須坂市にあります『小池千枝コレクション 世界の民俗人形博物館』にてはじまりました。

僕は昨日、娘たちを連れて見に行ってきました。
吹き抜けの広い空間に、気持ちよく作品たちが並んでいます。
4人4様の素材と表現が、作品の表情を際立たせているように感じました。
会場奥の壁面に大きな写真が編み込まれたタペストリーが気になった方がいるかと思います。
写真中央がこの博物館の生みの親で「日本ファッション界のゴットマザー」こと
小池千枝さんで、
左の男性は小池さんがパリ留学中のクラスメートのイヴ・サンローランさんで、
右が教え子の高田賢三さんだそうです。
10年前くらいに初めてこの博物館を訪れたとき、
ファッションにうとい僕はこの人達はなんぞ?と思いました。
人間的オーラ?というか圧がすごいなと思えば、なるほどな人びと、
今回の展示の依頼があった時も「あの圧に勝てるのか?」というのが
引っかかりとしてはあったのですが、
展示してみるとこれはこれで面白いかもねと思いました。
今回のような広い空間での展示は、
作品が空間に負けてしまうのではないのかというのも自分としては心配がありました。
でもというか何というか、これいいじゃないか!すごくいい感じだぞ!と思いました。
広い空間に対して、小さな作品であると弱々しく見えたり、間延びしたりしてしまいます。
現在の美術作品の多くがどんどん大型化しているのには、
「家」に飾ることより「美術館」に展示することを前提としているから
という理由が大きいように思います。
金魚も大きい水槽で飼う方が大きく育つと聞きますので、
作家の本能の働きでしょうか、器が大きくなれば作品も大きくなるといった訳です。
でも今回大きな器に作品たちを泳がせて思うのは、
『江戸町火消し』などは小さな作品なんだけれど間が持っているというか、
もっと大きな器だって隅々まで泳げるよと言っているように思えました。
素材の持つ時間と、作家の手を動かす時間が、
作品に凝縮された「時間」を作り、
会場を訪れた人に「時間」の広がりを感じさせるのではないかなと思います。
とまぁ、僕がそう感じたということなんですけど、
自分の今後の作品も大きさより密度かなと、
改めて手を動かすことの意味がよく分かった気がしました。
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