武蔵野美術大学、木工工房にて。
2012.10.17
先日、恩師である十時啓悦教授に頼まれて、
武蔵野美術大学の木工工房に特別講義をしに行ってきました。
11年ぶりの母校は見たことのない校舎がいくつか建っていましたが、
木工工房は変わらず、懐かしく思われました。
講義は10時頃からということで、信州中野駅5時37分発長野行き、
長野からは新幹線あさまです。
さすがは新幹線、早いのなんのですね。
学生の時に利用していた新小平駅から徒歩30分以上かかったにもかかわらず、
9時半には工房についていました。
家から武蔵美まで4時間くらいでつくとは、意外に近いなと驚きました。
特別講義は3年生の『立体造形』という課題の導入にとのこと。
この課題は3年生までに作ってきた「家具」などの用途のある物から離れて、
自由に立体作品を作ります。
僕が今に繋がる寄せ木の作品を初めて作ったのがこの課題でした。
特別講義にあたり先生からは、僕がこの課題をどう考えて制作に挑んだか、
また、3年生の終わりともなると進路が気になるところなので、
作家活動の道程などを話して欲しいと頼まれました。
前日に講義に使用する写真の用意などしていたら、
やべ12時回った、おっと1時には寝るぞ、
あれ2時って、寝たら逆に起きれないかもと、徹夜に。
まぁいいでしょう、これで講義をする教室には、
徹夜と長距離移動でまぶたが2トンな僕以上に眠い者はいないはず。
僕が寝ないで話しているのに寝たら承知しないぞとばかりに話したせいでしょうか、
生徒のみなさんは最後までよく話しを聞いてくれました。
無事講義が終了し、お昼を挟んで3年生に質問などを受け付けるはずが、
教室に入ると何故か人数が増え、さっきの顔ぶれがいません。
聞くと3年生は必修の授業があり、4年生と2年生が集まっているとのこと?
ってことはもしかして改めて最初から話すということかな?
どうやらそのようです。
学食でお腹も満たされた僕、さぁ俄然眠気も増してきましたよ!
徹夜+長距離移動+学食=睡眠5秒前な僕が話しているのだから、
寝たら承知しないどころじゃないからな!とばかりに話したせいでしょうか、
今回も生徒のみなさんは最後までよく話しを聞いてくれました。
講義終了後、持って行った寄せ木作品を熱心に見てくれたので、
もう少し大きい作品も持って行ってあげればよかったかもと思いました。
さて、ようやく肩の荷が下りたぞと、懐かしい工房をぐるっと一回り。
工房は一階に機械室があり、大きな機械が集中して置いてあります。
一階で製材した材料を二階で加工します。
僕の工房も機械室と加工室の2つに分かれているんですが、
これは武蔵美の木工工房を真似たものです。
先生と話したり、生徒たちと話していると、
やはりこの工房での学びが僕の基本なんだなと考え深くありました。
変わった作品を作っている4年生がいたので話しを聞いてみると、
卒業制作に向けて「からくり人形」をいっぱい作っているとのこと。
基本的には家具をつくる工房なので、
変わったやつだなぁと思いましたが、11年前の自分こそ変わったやつだったわけで、
次に彼に会うときは作家同士であることを切に願います。
僕が大学3年の時に木工家の谷進一郎さんの特別講義がありました。
「オレの椅子をつくる」という谷さんの著作を読んだことのあった僕は、
とても興味深くお話を伺いました。
それから8年が過ぎ同じ長野県で作家活動をしていたことも縁あって、再会。
僕の個展まで足を運んでいただいたりと交流が生まれ、
今度一緒に展覧会をしないかと誘われています。
特別講義の依頼を下さった十時先生と展覧会をさせてもらった時もそうですが、
自分に道を教えてくれた方と、展覧会という踊り場で、
再び同じ時間を共有できることはとても嬉しいことです。
今回、僕の特別講義を聴いてくれた生徒たちの中から、
一人でも多くの作家が生まれ、一緒に展覧会ができる日を僕の夢にしておきます。
たけちゃん、ご無沙汰してます。
オオタケ (2012.10.23 09:01)久しぶりに(ごめん!)HPのぞきに来ました。
ムサビで講師やったんだ~!
なんだが感慨深いです。
東京にいながら、ムサビにはとんと足を踏み入れていませんが、
写真を見て一気に学生時代に戻ってしまいました。
なつかし~!!
熱心な講義の様子が伝わってきました。
>オオタケさん
中川岳二 (2012.10.24 10:44)お久しぶりです。
田代先生と話していた時、
オオタケさんの話しも出て来たので、
懐かしく思い出していたところでした。
先生は、僕たちの代は印象的な生徒が多くいて、
話題になることが多いそうです。
確かに内藤くんとか才能のある仲間に囲まれて勉強できたのは、
今に繋がる大切な時間だったのだぁと思います。
なつかしいですね。