『江固二のエコジャポン』第三回
「まもなく原宿~、原宿~。」
江固二は八ッとして、若者にお礼を言うと原宿駅で電車を降りた。
今日東京に来たのは他でもない、
江固二が三年前から会員になっている『LEML』こと、
NPO法人『ラブアース・オブ・マイラブ』の東京集会に参加するためなのだ。
長野支部のエコトレッキングや落ちりんご狩り、
諏訪湖エコライブなどの活動には毎回参加してきた江固二だが、
東京で開かれる全国集会は今日が初めてだ。
代々木公園に着くと、既に沢山の人が集まっていた。
江固二は受付を済ませ、予め知らされていた場所に向かう。
午前中は公園を中心に街のごみを拾う
ライフクリーン活動を参加者全員で行うことになっていて、
江固ニは公園の北側を担当するグループだった。
「皆さん!はりきってがんばりましょーーっ。」
リーダーのかけ声で江固二のグループは清掃を始める。
公園の中は思っていたほどゴミはなく、30分もすると江固二の担当場所はキレイになった。
14年ぶりの東京で緊張していのが、ひたいに汗がにじんだらリラックスしてきた。
グ~ッ、気が緩んだせいか江固二の腹がなった。
そういえば慌ただしく家を出てきたので、朝から何も食べていなかったことに気がついた。
江固二はまずいかなぁと思いつつ、近くに見えるコンビニにダッシュ。
ぼくの場所はキレイになったし、
サボリじゃないよと言い訳しながら、おにぎりを選ぶ。
ラッキー!江固二の定番タラコがひとつだけ残っていた。
大好きなタラコとツナを手にレジへ。
店員さんはバーコードをピッとやると、焦った様子で食品表示を確認した。
「す、すみませんお客さま。
こちらタラコの方、消費期限を10分過ぎてしまっていて・・・。
申し訳ありません、商品の入れ替えミスだと思うのですが。」
「そんなぁ、タラコじゃなきゃだめなのに。10分くらい、いいですよ~。」
つづく。