奈良美智展「Moonlight Serenade -月夜曲」
前回のブログで書いた「金沢21世紀美術館」には
奈良美智展「Moonlight Serenade -月夜曲」を見るために行きました。
この展覧会は「Voyage of the Moon 」「Dog-o-rama」「スタジオカフェ yngm:k」という
3種類の展示で構成されています。
写真は美術館の外にある「プロジェクト工房」という場所での
「スタジオカフェ yngm:k」の展示で、
実際に作者が制作を行っている所が見れるようになっています。
面白い試みですね。
(ちなみに前回行った時にはヤノベケンジさんが制作しているところを見れました。)
残念ながら、ぼくの行った時には奈良さんは居ませんでしたが、
描きかけの絵が飾られていたり、
ドローイングなどが散らばっていたりと奈良ワールドを感じました。
写真とってもいいですか?と係の人に聞いたら、
あまり作品を撮らないように全体を撮るならOKとのこと。
?よくわからないので、バッチリ(な感じで)撮らせて頂きました。
「Voyage of the Moon 」には大感激!
奈良美智さんとgrafさんの共同制作によるインスタレーションです。
実際に人が入れる程の大きさのある小屋の上に、
大きな子供の顔が乗っかっている作品です(パンフなどに使われている)。
最高にいい!です。
ぼくは「最高にいい!」ってよく言ってるんで、
これ以上を言い表わすボキャブラリーがなく困りますが・・・。
まぁ最高です、とにかく見るしかないです。
奈良美智さんの作品には見るたびに勇気をもらいます。
ぼくは学生の時に「工芸」に対して何か息苦しさを感じていました。
迷いながらも自分の好きなオモチャを作り始めてしばらくした頃、
美術手帖に載っていた奈良さんインタビューを読んで
救われたような気持ちになったのを思い出しました。
大事にとってあるそのインタビューから~(美術手帖/2000年7月号)
『みんながサブ・カルチュアだと思っていることのなかに
じつはアートがあるっていうことを、もっとみんな再発見するべきだと思う。
伝統とかじゃなくて、民衆から生まれた、生活に密着したものだからこそ、
どこに持って行っても強いしリアルなんだから。
社会のなかでおさえつけられてた民衆の反骨精神は、
パトロンが擁護するような美術からはぜったいうまれない。
ぼくのなかに染み込んでるもの、芸術っていうよりユースカルチュアとかだしね。』
もうひとつ、~(アサヒグラフ2000年5月19日号)
『これまでの美術はアカデミズムやアバンギャルドに先駆者をもっていた。
でも自分のなかの先駆者は普通のポップカルチャーだと思う。』
今読み返しても、じ~んと心に響いてきます。
自分の好きだった、「くだらないモノ」を否定しなくてもできる「工芸」
それがぼくの目指す「工芸」なんだ!間違ってないぞ、背中を押してくれている気がしました。
奈良さん、ありがとうございます。