ちょっと見て来た 一覧

三沢厚彦展『アニマルズ '08 in YOKOHAMA』

先日、横浜そごうに三沢厚彦さんの『アニマルズ ’08 in YOKOHAMA』を見に行きました。
三沢さんの『アニマルズ』は既に2回見に行ったことがあり、
今回の展覧会の内容とも重なる作品が多かったのですが、
ポスターのライオンを見たら行かずにはいられなくなってしまいました。

しかも三沢さんの作品はぼくの娘も大好きで、見せてあげたいと言うのもありました。
三沢さんの図録や絵本、絵はがきなど、生まれてこのかた穴の開くほどみています。
もともと犬が好きな娘は、三沢さんの作品でも犬が好きなようで、
どんな反応を示すのか興味津々。
埼玉の実家から横浜までは、ちと遠く、
途中乗換えで荷物を忘れるハプニングに見舞われ、くたくたで到着。
無くなったオムツと離乳食を購入して、お昼休憩してから、いよいよ会場へ。
最初に出迎えたのは、動物が大行進する巨大な新作ドローイングです。
見慣れた絵に娘も興奮ぎみか?
つづいて白熊と白い小屋のインスタレーション、
いろいろな大きさの白熊が一頭づつ、大小の小屋の中に。
おおっ可愛い!と思いきや・・・あまりの迫力に驚いたか?泣き出す娘。
実物の三沢さんの作品はやっぱり力があります。
次は、まってました犬の登場!
犬と猫が数十頭、ところせましと並んでいました。
泣いていた娘は身を乗り出します。
普段、散歩の途中などに犬を見つけると「ワンワンッ」と吠え出す娘ですが、
犬の作品を見て興奮し、「ワンワンッ、ワンワン」・・・、
靴も電車に忘れてしまったので、娘は靴下で会場を歩き回り「ワンッワンッ」止まりません。
そのうち娘の興奮は最高潮になり、「ウォウッ、ウゥウッ、ウォ~~!ウォ~ッ」
犬の遠吠えならぬ、乳児の遠吠えが始まってしまい、会場に響き渡てしまいました。
まさか本物に出会えるとは思わなかったとでも言っているみたいで、
楽しいやら、驚いたやら、興奮冷めやらぬ内に、次のゾーンへ。
新作のライオンに始まり、ゾウやカモシカなど大きな作品を中心に
まるでサバンナにでも迷い込んでしまったかのように沢山の種類の動物が並んでいます。
これにはぼくが大興奮!新作のライオン最高です!
完成度の高さは言うまでもありませんが、細部まで彫りこまれて、
三沢さんのこの作品にかけた情熱をこれでもかというほど感じました。
全体的な造形のバランス(安定感)と、百獣の王の威厳と躍動感が、
均衡を保ちながら、動かずとも迫ってくる活き活きとした姿が彫り上げられています。
その奥にあるゾウに会うのは二度目ですが、
福音館書店『ぞうをつくる』三沢厚彦著をくり返し見ている娘は
なにか感じ入っているようでした。
おそらく本物はこんなにも大きかったかと言ったところでしょうか。
ぼくも二度目とはいえ、やはりこの大きさと力強さにはノックアウトです。
最後に待ち構えるのは、これまた新作のワニ!仰天です。
でかいっ、うろこを一つ一つまで彫りこまれてるっ、
口の中、歯の一本一本まで神経の行き届いた作品に仕上がっていました。
大きく開かれた口は、娘を一飲みにしてしまうような迫力で、
娘は最初少し怖がっていたようですが、
すぐにキャッキャッと喜び出して、拍手をしていました。
すばらし過ぎた展示内容だったので、結局全体を3往復して見終えました。
出口には記念撮影が可能な「こどもキリン」があり、とてもよい思い出になりました。
子供も大人も楽しめる三沢ワールド!おすすめです。

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ダニ・カラヴァン展

個展の合い間をぬって、いろいろな展覧会を見にいっています。
しかしなんです、東京は見たい展示がいちどきにありすぎて困るくらいですね。

さてまずは『ダニ・カラヴァン展』です。
これは山田節子さんに薦められて見に行きました。
世田谷美術館は砧公園のなかにあり、とても雰囲気のある建物です。
カラヴァンさんの環境彫刻なる表現って?と思っていましたが、
まさに一見にしかずで、すぐれた展示方法も相まって感動しました。
絵画表現から舞台美術、そして環境彫刻へ至る作家の軌跡をたどる
展示の流れがよくまとまっており、
最終的に到達するあまりにも巨大でいて、環境と調和した表現へと
作家が成長していくさまを感じ取ることが出来るようになっています。
見るものの感じ方はそれぞれでしょうが、
やはり、その美術館の学芸員さんの力量次第で
伝えたいことを明確にすることは可能なのだと思いました。
非常に優れた展示であったと思います。
この展示の良さを引き立てた装置として、美術館外の公園の存在もあげられます。
美術館自体が公園の環境を取り込んだような中庭を持ち、
公園を通り抜けて訪れる来館者に見る準備を促がしているようでした。
ぼくが行った時は、祝日ということもあってか公園は大勢の親子連れでにぎわっていて、
高校生のブラスバンド部のコンサート(かなりレベルが高い!)も開かれていたりと、
久しぶりの休日を美術館で楽しもうというぼくには贅沢な時間をすごすことが出来ました。

ということで、世田谷美術館はおすすめです!
他にもいい展覧会を見に行っていますが報告は後日。

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舟越桂展。

先日、重要な用事があり数日実家に帰ったついでに、
東京都庭園美術館で開催している『舟越桂 夏の邸宅』を見に行きました。

梅雨明け直後の、強い日差しが照りつける夏らしい日でしたが、
そんな日に見るにはうってつけの、
ついでにと言っては失礼なすばらしい内容でした。
既に見たことのある作品も数点ありましたが、
アール・デコ建築の空間と舟越作品の相性がピッタリで、
とても新鮮な印象を受け、
時代や場所を飛び越えて異空間に迷い込んだような感じがしました。
不思議な体験をしたような感じと言うか・・・、
一本のよい映画を見て外に出た時の現実と映画のストーリーが、
なかなか重なり合わずに目を細めてしまうような感じがありました。
外の暑さと、美術館の静けさ、作品以外のものまでも取り込んでしまうことが、
作家の力量というものなのかもしれません。
舟越作品の完成度の高さ、とくにスフィンクスシリーズのそれは、
ぼくにとってあまりにも刺激が強くて、影響をうけ過ぎそうで怖いです。

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