ちょっと見て来た 一覧

エフスタイル。

先日、長野県須坂市にある『eightdays』というお店で、
エフスタイル展』が開かれるというので行ってきました。
以前「F/style の仕事。」という記事を書いたことがあり、
エフスタイルの玄関マットを愛用しているということを書きました。
新しい家の玄関でも、そのマットを使い続けています。
今までの暮らしと、新しい暮らしを、
お気に入りのものがつないでいってくれるようで、さらに気に入っています。
さて、今回のエフスタイル展では新作も展示されるというので、
楽しみにしていました。

須坂市は中野市からほど近い場所ですが、eightdaysというお店には初めて来ました。
古い家を改装したお店で、まだ開店から一年しか経っていないとは思えないくらい、
須坂の町並みにとけ込み、昔からそこにあったようなたたずまいです。
エフスタイルは相変わらず、地道だなぁ~と思いました。
地に足つけて、我が道を行く。
出会った時の最初の印象と変わらないです。
僕が行った日にはエフスタイルの2人もお店にいて、
久しぶりに話をした印象もそうだし、
なにより作っているものの持つ印象が、変わりません。
エフスタイルが地道に力強く生み出したものが、
手にした人に与えるのは、
さりげなさとすがすがさだというのが、やはりいいなぁと思います。
定番から新作まで、いいものが沢山並んでいましす。
eightdaysの雰囲気とも相まって、久しぶりによい買い物ができました。
『エフスタイル展』は4月10日までです。
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越ちひろ ドローイング展。

長野在住の画家、越ちひろさんの
ドローイング展『Blood Diamond』を見て感動したので感想など。
今日は長野市の善光寺のそばにあるギャラリー「アートスペース FLAT FILE」に、
仕事の話しで用事があり出掛けました。
ちょうど今日FLAT FILEで始まる作品展が越ちひろさんのドローイング展。
そこで初めて作品を目にするまで、
越ちひろさんのことは存じ上げていなかったのだけれど、
ついでに気分で展示を見せてもらって、不意打ち!やられてしまいました。
ギャラリーの壁を埋め尽くす300点以上にも及ぶドローイングの作品群。
描くことに対する情熱が否応なく伝わってきます。
ドローイングとは画家が日常的に描く練習画(言切れないが)の様なもの。
スケッチブックや新聞、広告、ポスターなどなど紙と見れば、
それこそ息をすって吐くように、衝動的に手を動かし描いていきます。
ただ、越さんのドローイングをよく見ていくと、
全体として表現されているものが浮かび上がってくるように思えました。
作品のなかでイスラムの女性と思われるモチーフが多数登場しています。
最近のニュースで我々が見るアラブ世界の輝と闇。
輝きは連日報道される若者達の沸き上がるエネルギー。
闇のひとつの象徴としてイスラム圏の女性の服装や地位のあり方があります。
(闇と思うのは、余計なお世話かもしれませんが)
イスラムの文化に詳しくなくても、
女性の身体を覆い隠す服はビジュアル的にイスラムに置ける女性のあり方を暗示させます。
それらの作品とは対照的に、
フランスの画家ドミニク・アングルの描いた「グランド・オダリスク」という、
裸の女性が横たわり振り向いている作品の印刷物の上に描かれた作品が数点ありました。
新古典主義を代表する画家ドミニク・アングル(1780~1867)の代表作とされる絵ですが、
これが発表された時に、女性の背中が極端に長く描かれていることに対し批評家たちは、
「背骨の椎骨が普通の人間より3本ほど多い」と批判したそうです。
極めて高いデッサン力を持つアングルが意図せずこのように描いたことは考えずらいので、
女性の背中の美しい曲線を描くために、女性の身体を変形させたと考えられます。
対照的とは書きましたが、
実のところは男性による、女性のありのままへの干渉だという点において
同じことではないかと気づかされます。
展覧会名である『ブラッド・ダイヤモンド』とは
血塗られたダイヤモンド・紛争ダイヤモンドなどといわれるらしく、
アフリカ諸国の内線や紛争における武器調達などの資金源になるダイヤモンド。
まさに輝きと闇を象徴するかのようです。
女性の美しさを引き立たせる存在である宝石が、
どこ(誰)で採掘され、それを買うのは誰(どこ)で、喜ぶのは誰(どこ)なのか。
自分(自国)の葛藤が、自分(自国)の内にあるものではなく、
誰かの干渉によってもたらされるものであれば、悲劇以外に生まれるものはない。
これはこの展覧会のほんの一部の闇の部分。
闇があることで輝いて見えてくるものが、越さんの絵の本来の魅力なのだと思います。
女性だからこそ掴み取れる真実と、みずみずしい感性を見に行ってはいかがでしょう?
3月1日までです。
越ちひろweb saitはこちら
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東京都現代美術館にて。

連休を利用して、埼玉の実家に帰省してきました。
久しぶりに美術館三昧で芸術の秋と思っていたのですが、子どもが熱を出したりで、
なかなか計画通りにはいかず・・・。
まぁ、父親になってからは計画の半分実行で合格!にもなれましたけどね。
そんななか元気な僕だけ大急ぎで見て来たのが、東京都現代美術館にて開催中の
『トランスフォーメーション』展と『オランダのアート&デザイン新言語』展。

(オランダのアート&デザイン新言語展のみ写真撮影可、作品はそれぞれ出展者の著作物)
どちらも見応えのある展示で、僕は時間に余裕がなく見きれない程でした。
特に『トランスフォーメーション』展は映像作品が中心なので全部見るとなると、
一日かっかたかもしれません。
祝日ということを考えても現代美術の展覧会にしてはお客さんが多くて驚きました。
やはり展覧会の内容のよさが人を引きつけるのだろうなぁと思います。
いろいろ思うところのある展覧会だったので、考えがまとまったらまた書こうかと思います。
『オランダのアート&デザイン新言語展』の方は、
あまりに時間がなかったために、無理矢理美術館に連れてこられた子ども並みのダッシュで
流し見してしまったので、新しい発見や驚きを感じることができず残念。
美術館には時間の余裕を持って行くべきと反省です。
あと、イサムノグチの母を主人公にした映画『レオニー』も見ました。
これを見てから美術館に行ったから時間がなかったのだけれど、
予想以上に面白い作品でこれはこれで満足。
偉大な芸術家の偉大な母の話・・・それよりなによりイサムの父親役の中村獅童が
キモカッコイイ感じでよかったです。
こうして書いてみると、いちおう芸術の秋っぽい連休を過ごしたみたいな僕。
そういえば帰省途中にも軽井沢の脇田美術館によって『木のデザイン』展を見たじゃないか。
充分芸術の秋してるじゃないか。
美術館欲が強すぎて満たされていない思いが強すぎただけかも。
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