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福助祭り。Exhibition information.

この秋、福助祭りが開催されますので、取り急ぎ日時のお知らせです。
こてんこてん展の前はいつだって、てんてこ舞いではありますが、
今年は特に忙しくって、目が回りそうです。

ただいま案内状を鋭意制作中ですが、
目標の1ヶ月前までに皆様のポストへが少し遅れそうなため、
日時だけでも早くお知らせしておくこととしました。
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中川岳二寄木作品展
こてんこ てん展 〜福よ、こいこい!福助祭り〜
2015年10月10日(土)初日のみ13時〜17時
10月11日(日) から 18日(日)10時〜17時
会場:蔵のギャラリ「のらりくらり」(入場無料)
   長野県中野市大字吉田970–1(工房となり)

交通:上信越自動車道 信州中野ICより10分
     お車は日野神社へ(臨時駐車場)/
   JR長野駅より長野電鉄に乗り換え→
   信州中野駅下車→信州中野駅南口より徒歩15分

福助は長らく売り切れが続いておりました。
「待ってるよ」との声の一番多い作品でもありましたので、
今回思いっきり気合を入れて製作しております!
自分で言っちゃいますが、いいです、よい出来です!
撮影用が出来上がった際には、思わず小躍りしてしまったくらいです。
福助もゆれておりました。
お待ちいただいた方には、「待った甲斐があった」と言っていただけると確信しています。
残り一ヶ月、死なない程度に死ぬきで製作に励みますんで、ぜひ見に来てください!

● Exhibition information

■take-g Exhibition information.&Takeji Nakagawa Kotenko-Tenten

Time: 2015 October 10 (Sat) open 13:00~17:00
October 11 (Sun)~18 (Sun) open 10:00~17:00

Free admission and free parking available

Place: Gallery “Norari-Kurari” (next to Nakagawa Takeji workshop)
Address: 970-1 Yoshida, Nakano-shi, Nagano-ken, JAPAN
Tel: 0269-23-2121

Transport: (Train) Nagano-shinkansen – JR Nagano Station
Nagano-dentetsu (line) – Nagano Station
30 min by Express; 45 min by Normal
Shinshyu-Nakano Station
15 min by food
(Car) Leave Jyoetsu-Do Shinshyu-Nakano I.C.
10 min

● Exhibition summary
There will be many Takji Nakagawa original robots,toys,furniture.

● Turist information of the surrounding areas

Snow Monkey Park at JigokuDani: 15 min by car plus 30 min walk
The world famous spot where monkeys take bath

Yudanaka Hotspring: 15 min by car
The town of nine hot springs

Obuse Town: 15 min by car
Famous for its flowers, chestnuts and Katsushika Hokusai

Zenkoji Temple: 40 min by car
The most famous temple in Nagano if not in Japan – a must see

Ippon-Gi Park (aka Rose Park): 5 min by car

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福助の建もの探訪。

おはようございます、お久しぶりの福助です。
今日の「福助の建もの探訪」は、木のぬくもりと音楽が響き合う家ということで、
いったいどんな家なのか楽しみです。
と〜きどき♫ 近くを〜、見つめる〜♪ 幸福そうな、あなたのよ〜こ顏♩
って、冗談やがな、
今日はワシの友達というか元同僚が引っ越したいうんで、お祝いに来たわけや!

よっ、久しぶりやなぁ『ぴちゃ丸』!元気やったか。
めっちゃええ家やん、それにお前の部屋なんなん、最高やん、家の中でも最高の一等地やん。
銀座なら和光の立地やで。
おまえめっちゃええ家に連れて行ってもらってたんやな。
ええなぁ、ほんま!

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「福助、今日は遠くからありがとねー!
いい家でしょ、僕のご主人は僕の部屋まで考えてくれたんだよ〜、うれしいね〜」

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じゃ、ちょっと失礼して、リビングを拝見させていただきますっと!
って、おい、『ゴノ(15号)』やな〜いか〜い。
ええやん、おまえめっちゃええやん、ワシしびれたわ、ビリビリって、めちゃしびれてしもたわ!
なんなん、この家なんなん、おまえらのご主人めっちゃええやん。
まるであれやで、これはすでに中川の私設美術館やで、これきたで、
ワシ的にはもうすでに人気スポットやがな。

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「福助〜、はしゃぎすぎ、テンション上げすぎ。
そしてその横で涙流しながらシャッター切ってる中川氏、あなたも胸が熱くなりすぎだよ。
室温が5度くらい上がったんじゃないかな。
まぁ落ち着いて、玄関の表札見てきた?おもしろいよ〜」

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これはもしや!?、寄木の表札、
いや、まさか?!、注文制作は絶対に受けないでお馴染みの中川が作るはずは・・・。
いや、ワシにはわかるで、この配色のセンス、
インターホンまできっちり納めてくる、この感じ、間違いないで中川のしごとや。
そうやろっ!中川、おまえの仕事やでこれは!

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「あら福助、よく分かったね。こうやって玄関にちゃんと収まってるのを見ると、
やったかいがあったなぁ。
工房で完成した時以上にかっこよく見える!ホッとしたよ〜。」

ちょっ待った!中川、たしかにええできや思う、それは認める。
しかしや、しかしやで、あれだけ注文は受けないと、注文制作は断り続けてきたあんたが、
なんで寄木の表札作るねん、なんでやねん?

「う〜ん、話すと長くなるんだけどね、小林さんは何度も個展に足を運んでくれている方で、
ワークショップにも家族で参加してくれたりと、ゆっくり話す機会もあったわけ。
コレクションしていただいている僕の作品を飾る場所も考えながら新居を計画中だとのことで、
是非お願いしたいことがあると切り出されてね、とても丁寧に頼んでくださったわけ。
人の礼に対して礼をもって返したいじゃない。
自分は注文は受けないと決めているわけだけだから、
う〜んと考え、プレゼントならどうだろうと思いついたわけ。
とはいえ、プレゼントですって渡しても、小林さんの方が困っちゃうだろうから、
小林さんとプレゼント交換するのがいいんじゃないかと思いついたわけね。
僕は木工のプロとして表札をプレゼントするので、
小林さんもご自身のプロを生かしたプレゼントと交換しましょうと提案したの。」

ほう、そういうことかいな。
お金を中継しない経済をやってみたわけやな。
ええやないか、ワシそういうの嫌いやないで、ええんちゃうん。

「まぁ、やってみると、頼まれて作るってのもいいもんだなぁと思ったよ。
その人の印象を踏まえながら、
喜んでくれる顔を具体的に思い描いて作るってのも、わるくないと思えた。
もともとなんで注文は受けないとして来たかというと、
売れることが決まっているものを作ることって真剣勝負じゃないと思っていたからでね、
売れるかどうかもわからないけど、自分がいいと思うものだけを作って、
そのいいと思うものに共感してくれる人が現れるはずだと信じて、
できのいいものは売れるだろうし、できのわるいものは売れ残るわけで、
それが真剣勝負でものを作ることだと考えていたわけ。
まぁ、偏屈なんだろうけど、
自分が作りたいものだけをリスクをとってもやりたいというのが強かった。
でもまぁ、何事も経験だね、その人に合わせたもの作りってのもいいもんだなぁと。」

ええやろ、人間や生きてりゃ考えが変わることもあるわな。
中川にええ経験させてくれた小林さんには、ワシからもめっちゃ感謝や!
それにしてもあれやろ、これって小林さんがプレゼント考えるのが激ムズやったんちゃうかな。

「福助には教えませんけど、めっちゃええプレゼントだったよ、楽しかったし!」

ということで、小林邸の完成見学会に行ってきました。
床や天井に無垢の木がふんだんに使われ、
自然光が入り、風が吹き抜ける、街場ではありながら自然を感じることのできる家でした。
何と言っても僕の作品を飾る場所も考えながら設計された家というのを
初めてみるので感激でした。
表札がきっちり収まらなかったら、現場を見て直せるしと思っていましたが、
建築士や施工業屋の方の工夫で綺麗に収まり、
小林邸の完成に僕も少しお手伝いできたことをうれしく思いました。

帰りの車の中で思い出していると、僕が思い描いていた美術や工芸の在り方が、
また一つ現実になっているところを直に見ることができたなぁと感慨深く思いました。
工芸作品や美術作品も、最初から美術館に飾ることを目標にし始めると、
おかしなことになって行くんじゃないだろうかという思いがあります。
美術館なしにマルセル・デュシャンのような作品が成立しないのは、
美術作品よりも美術館という装置に「有り難み」が移ってしまったことの証左であり、
デュシャンの作品自体がそのことへの皮肉です。

美術館での展示の依頼ももらえるようになってきた時だからこそ、
自分の作品のほんとうの居場所を確認できたことは、とても貴重な経験になりました。

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先生と呼ばれること。

作家を始めて3年目、もう干支も一周するくらい前のこと、
横浜で個展をしたギャラリーのオーナーが言っていたことだ。
僕が作家というだけでギャラリーのオーナーやお客さんに
「先生」と呼ばれることに違和感があると話すと、
「先に生まれると書いて、先生だからね。中川さんは僕よりもずっと若いけど、
僕は木工の経験は0年だから、木の世界には中川さんが先に生まれていることになるよね。」
と返されて、納得してしまった。

うちの三姉妹を見ていても、
長女は次女の先生であり、次女は三女の先生であることがよくわかる。
どこの家でも2番目3番目の子供の方が、話すのが早くなり、着替えや歯磨きも簡単に覚える。

学ぶことの質にもよるけど、時として子供の「先生」は親より子供の方が向いていたりする。
言って聞かせるよりも、見て真似をする方が早い上に、自発的になれる。
「学び」の語源が「真似る」というのは、どうやら間違いなさそうだ。

先日、母校の武蔵野美術大学で講義をしてきた。
今年は何回か講義があるからか、十時教授が生徒たちに「中川先生です」と紹介してくださり、
ドキッとした。
作家を「先生」と呼ぶのだから、
少し前を歩く木工家として「先生」であることは違いないのだけれど、
工房には恩師である十時先生、田代先生、藤井先生(僕の学生の時の助手さん)がいて、
「中川先生です」と呼ばれるまで、なんとなく生徒側にいたというか、
間違った木工機械の使い方をしていたらケツをひっぱたかれるんじゃないかとか、
考えの浅いアイデアを見せたら厳しく言われるんじゃないかとか、
学生の時の緊張感が工房の中なのか僕の中なのか、今でも残っているらしく、
まさか自分が先生側に立っていると思えていなかった。

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長女のももは次女のうめにとって憧れの存在らしい。
うめはももが絵を描いていると、
ピッタリ横にくっついて、ジーッと色鉛筆の先を目で追っている。
ももが本を読んでいると、横に座って声に出して読んでくれと頼む。
ももが宿題のドリルをやっていると、私も!というので迷路のドリルを買ってやると、
ももが勉強中は迷路をずーとやっている。
気がつけば、うめの絵も僕らが驚くぐらい上手だし、
字は読めないのに覚えた絵本を読んでいたりする。

それだけうめが真似をしたくなる「先生」のももはすごいんだなぁと驚いていると、
三女のさくらはうめのすることがしたくてしたくて、うめの横で真似をしている。
うめもいつのまにか憧れの「先生」になっているじゃないか。

僕も武蔵美の木工工房でうめくらいには成れるように頑張らなくちゃいけない。
僕が先生から学んだように、生徒たちが木工の世界に先に生まれた僕から、
真似をすることが少しでもあれば嬉しい。

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木工工房は来春には、新工房に移転するそうで、
僕が木工と出会ったこの工房とは今年限りでお別れ。
ちょっと寂しいね。

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田代先生、藤井先生と一緒に4年生のアイデアチェック。
結構面白いアイデアが幾つもあったので感心してしまった。
あとは時間の限り手を動かして、試行錯誤して、密度ある作品にできるといいなと思う。
僕が学生の時、スケッチを見せた先生たちに「もっと展開させたほうがいい」とも、
「このアイデアでどんどん進めなさい」ともいわれ混乱したのを思い出した。
一つのアイデアでも先生によっては全く違う意見になるんだなと思った。
学生としては褒めらたほうが嬉しいわけだけど、
否定的な意見もまたアイデアを深めてくれたと思う。

学校を出るとわかることがあって、
先生たちにアイデアを見てもらえるのって、あたりまえだけど今だけ。
下手でもいいのでとにかく見せるものを出すことが大切だと思う。
とくに大事なのはダメ出しをもらえること。
学校を出ると、自分の作品を好きな人と話す機会は増えていくけれど、
自分の作品のダメなところを指摘してくれる人にはめったに会うことがない。
そもそも、だめだなぁと思っている人はわざわざ個展に来てくれないんだね。
褒められることも大事だけど、否定されることは貴重。
あと他の生徒が講評されるのを聞くのも勉強になった。
先生が何を褒めて、何にダメ出しをするのか、先生の感覚を真似するチャンスになると思う。

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