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牛久自然観察の森。

先週末に茨城県牛久市にある「牛久自然観察の森」に行ってきました。
この日は施設内で育った木から「木のおもちゃ」を作るために、
材料となる木を切り倒すことになりました。

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「牛久自然観察の森」内には針葉樹や広葉樹の様々な樹種の木が育っています。
その中で、施設内の畑の南側で育った山桜の木が大きく育ち、
畑に日陰を作ってしまうことから、今回材料とすることが決定しました。
偶然ではありますが、まだ桜の木で「ベイビーベア」を製作していなかったこと、
山桜の赤みを帯びた優しい色が綺麗であることから、樹種の選定としてもバッチリです。

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写真の「ベイビーベア」は2017年の「もくもくすくすくプレザント」で栗の木(左)から、
2016年のケヤキの木(右)から生まれた木のクマです。

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根元から少し上がったところで二股に別れているので、木の家具の材料には少し細いですが、
木のおもちゃであれば十分な材料になりそうです。

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離れて見上げると、根元の太さのイメージよりも随分高く成長しています。

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切り倒される直前に少し雨が降ってきてしまいました。
いよいよ山桜の命をいただきます。

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まず倒す方向に対しての山桜の前方に「受け口」を入れます。

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次に後ろから「追い口」を入れていき、
畑の空いている場所に確実に倒れるように、ワイヤーをかけて引っ張りながら倒します。

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みしみし…と、音を立ててゆっくりと倒れ始めました。

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倒れる瞬間、目の前で見ているとかなり迫力があります。

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幹の周辺部分が白っぽいのがわかると思います。
「白太」と呼ばれる部分で、材料としてはできるだけ避けたいところです。
材料として使える中心は「赤身」と呼ばれます。

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倒してみると、これだけの枝を一本の幹で支えていることに驚かされます。

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色の濃淡があり、とても綺麗な印象です。

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夕暮れには雨が雪に変わった寒さの中、この山桜の花の芽はもう膨らみ始めていました。
この芽が花びらを散らすことはありませんが・・・。

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チェンソーが挟まっちゃいました。
山桜の木も一矢を報いてきましたね。

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咲かなかった桜に変わって山桜のクマが生まれるならせめてもと、思いたいです。

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さて、牛久自然観察の森は、
環境庁が昭和59年度から5ヶ年間の補助事業として実施した
「身近な自然活用地域整備事業」で整備された施設だそうです。
良好な自然環境である里山としての平地林の保全、
利用者が自然とふれあい親しむことのできる施設として誕生しました。

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2011年の東日本大震災に伴う原発の事故の影響から、
室内でも自然の観察や森に親しむ施設へとリニューアルし、
施設内の水辺の生物を観察できる美しい水槽と、
沢山の木のおもちゃが集まる「木育広場」がつくられました。

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観察の森を案内するネイチャーセンターの機能を残しつつ、
室内でも自然と触れ合える施設に見事に生まれ変わっています。

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全国から選りすぐられた、ここでしか遊べない木のおもちゃも数多くおかれ、
来た甲斐のある場所になっていると思います。

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「take-g」に影山が加わってから、
国産材や県産材を利用したおもちゃを作り、地元に根ざした物作りを進めてきました。
手の届くすぐそこの森に木が余っているのに、
輸入材を使うという木工の矛盾を少しでも変えれないものかと、
できることから少しづつ手探りでやっています。

小さな声でも、とにかくあげてみるものだなと思います。
前々回の僕の個展を牛久自然観察の森の職員の方が見にきてくれて、
「テイクジーズー」を施設のために購入していただきました。
そして、去年の飯山市の展覧会に別の職員の方がきてくれて、
「もくもくすくすくプレゼント」のことを知っていただき、
今回の企画につなげてくださいました。

木のクマになる材料を、立ち木を切り倒すところから関わることは、
影山も僕も当初からイメージしていましたが、そう簡単ではないと思っていました。
美術館での展覧会が開催できた時も思いましたが、
強く願って行動していれば、必ず叶うんだと思います。
まだ始まったばかりの企画ではありますが、
僕らの夢を叶えてくれた牛久自然観察の森の皆さんには心から感謝します!
この山桜は、必ず「美しい」クマに生まれ変わらせますので、ご期待ください!

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メリークリスマス!

僕の住む中野市は長野の北部「北信」にあり、
北信地域を代表する山に「北信五岳」と呼ばれる山々があります。
飯山市美術館で発表した新作「北信五岳」には
それぞれの山の伝承から生まれたキャラクターが雲に乗って浮かんでいましす。

今年のクリスマスカードは「北信五岳」の、
斑尾山のマダオ、妙高山のミョコ、黒姫山のクロヒメ、戸隠山のトガ、飯綱山のイヅナが、
サンタクロースになってプレゼントを届けるところを描きました。

まず妻がレイアウトをだいたい決めて、僕が五人を描きます。
例年は僕のキャラは一人なので、今年はちょっと大変、
絵を描く手は遅いので1日かかってしまいました。

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さて、ここからは妻の仕事。
戌年ネタを加えて、画用紙にうつします。
夕暮れ時、プレゼントを配り始める五岳サンタとお手伝いワンコたち。
ウサギがモチーフのマダオにワンコの本能が反応・・・?

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個展などで、「クリスマスカード楽しみにしています!」と言ってもらったり、
飯山美術館の展示で作品をお借りしたお宅には
歴年のクリスマスカードを飾っていてくださっていたり、
とても嬉しくて夫婦共々毎年のクリスマスカード作りを楽しんでおります。

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こてんこてん展に来てくださった方へのお礼を込めたクリスマスカード作りも、今年で15年目。
自分の一年の活動をみなさんに報告したくて続けてきたので
送る方は毎年毎年、増えていきました。
サンタさんと来年の干支をかけたイラストは楽しんでいただけていますでしょうか?

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とまあ、こんな具合に完成した絵をPCに取り込んで、プリンターが頑張って、
今みなさんの手元に届いているかな?と思います。

「かな?」と疑問符がついているのには訳がありまして、
飯山市美術館ではアンケートと一緒に、
今後の展示等の案内状を希望される方には住所をご記入いただきました。
宛名書きソフトに入力すると、かなりの人数に・・・。
今年からハガキの郵便料金が52円から62円に上がったので、
ある程度を超える発送になると、正月を迎える財布に影響を及ぼし、
おせちの材料から栗が消えたり、ブリが消えたり、と。
今までも発送人数がある程度を超えたところで、
昔の登録から更新されてない方を発送対象から外させて頂いているのですが、
今回は2011年以前の来場が最後の方を対象外とさせて頂きました。
断腸の思いではありますが、腸以前に、胃がブリを欲していますので、申し訳ありません。
かなりの方が、「あれ、今年はクリスマスカード届かないんだけど?」
となっているかもしれないのと、
2011年後も来場しているのに芳名帳等に記入されていない方も届いていないかもしれません。

もしクリスマスカードと今後の案内状がご入用な方がありましたら、
最近個展には行けていないけどという方、
飯山市美術館に行ったけれど住所を記入してこなかった方、
ブログを見ていて欲しくなった方も、
mail@take-g.comまで遠慮なくご連絡ください!
喜んでお送りさせていただきます!
メールには郵便番号と住所、お名前を明記の上、カード希望と書いて下さい。
年賀状も兼ねていますので、今からでもお送りいたします!
では、よいクリスマスを!

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夢を叶える。

2007年のことです。
松屋銀座から依頼を受けて、初めてのデパートでの個展、
自分の実力で場に見合う展示ができるか緊張し、プレッシャーに負けそうでした。
作家としては大きなステップを踏むことができるチャンス、
自分にしかできない個展にしたい、
作品を鑑賞するのではなく、思わず手にとってにっこりしてしまうような作品。
子供が遊べるスペースを設け笑い声が響いて、老若男女が笑顔になれる、
それが僕の理想の展示です。
作品準備に追われながら、遊びスペースのテントを作ったり、
人工芝をホームセンターに買いに行ったり、
お金も力もないのに、自分の理想に近づけるために夢中でした。
あれは夢の途中だったのだと、今振り返れば思います。

2017年は、あれからちょうど10年です。
美術館のロビーに人工芝を引いて、10年前に作ったテントを立てて、
自分のデザインした木のおもちゃと家具を並べます。
遊びスペースだけでも松屋銀座の個展会場より広いくらいです。
17年間の作家活動と大学3年からの2年間、計19年間すべての作品が集い、
飯山市美術館の展覧会場を埋め尽くしました。
僕の理想の準備は整いました。
あとは観てくれる人の笑顔です。

9月16日から11月12日まで、50日間、予想をはるかに超える人たちが訪れてくれました。
子供達の笑い声が響き、ご年配の夫婦が連れ添って微笑み、
2世代3世代の家族が一緒にニコニコと談笑し、
美術館の中にたくさんの笑顔が生まれました。
僕が会場を訪れた時だけでも多くの笑顔に出会うことができました。

なんて美しいのだろうと思います。
それを自分の作品が生み出しているのかと思うと、信じて進んできたことが報われます。
僕の理想の美術館が完成しました。

作家は作品を生みますが、作品は鑑賞者がいて初めて成立します。
考えさせられる作品であるとか、テーマが深いなど、理解しづらい作品が並ぶ中、
作者の深遠なる表現を受け止めようと腕組みしながら声を殺して密やかに眺めることを、
美術館賞と思いがちですが、理解しようとしている時点で感動していないということです。
思わず涙がこぼれる、思わずニッコリしてしまう、思わず苦しくなってくる。
どんな反応であれ理解する前に、心が動いてしまうこと、これが感動をするということです。

チャップリンは中でも人を笑わすことが一番難しいと言いました。
涙を流すのはある程度仕掛けをすればできてしまうけれど、笑いを仕掛けるのは難しいと。
じゃあ、それをやってみようかなと思ったのが大学3年生の時、
課題の図面を引きながら聞いていたラジオ番組「爆笑問題カーボーイ」で
太田光さんがチャップリンについて熱く語っている時でした。

僕は17年間の作家活動の中で幸運なことに多くのファンと出会うことができました。
制作につまづいたり、大きな依頼が頓挫したり、
苦しい時には、ファンの人たちの手紙やメール、個展の時にいってくれた言葉で、
食いしばっていた歯がほころんで、笑顔になれました。

笑いは時には人の失敗から生まれることもありますが、
笑顔は優しさからしか生まれません。

11月4日からの自宅ギャラリーでの個展のさい、
初日で完売となり、作品写真を印刷したプレートを展示していたところ、
比較的近くに住んでいるファンのMさんが会場を訪れ、
「私の持っている作品を貸しますよ!
せっかく足を運んでくれた方に、中川さんの作品のよさを知って欲しいですから!!」
と自宅に戻って福助や江戸町火消しを持ってきてくれました。
優しすぎるよMさん。

美術館に話を戻すと、今回の中川岳二展「木々の色々」もこんな優しさで成立しています。
展示した大きな作品は学生の時の2点と
個人宅には大きすぎる「あぎょうとうんぎょう」などの4点、
それと新作の5点以外は全てが個人所有の作品で、
展覧会のために無償にもかかわらず快く貸し出していただいたものです。
もし僕の持っている作品だけで展覧会を開いたら
その11点を並べるだけのとても寂しい展覧会になっていたかもしれません。
初期作品から欠けることなく作品を揃えることができたのは、
所蔵者の皆さんが僕の作品を大切にしてくれいたからこそで、
作家に対する優しさが集まった展覧会だったのだと、心から感謝しています。
ありがとうございました。

優しさから笑顔が生まれる。
美しすぎるぜ、「木々の色々」。
色々な人の色々な笑顔、一生忘れません。

僕の夢を叶えてくれて、ありがとうございました。

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