2010年09月 一覧

土蔵が動いた!

うちには古い土蔵があり、昨年建った住居と工房で中庭が出来るプランになっています。
古いだけあってあれこれ補修がしてあり、あまり美しいとは言えないので、
住居を建てるのと一緒に直す予定でした。
しかし、大工さんが土蔵の様子をよく見てみると、東側や北側の柱や土台が腐っていて、
簡単には直らないとのこと。
壊すにしても、残すにしても、なかなかの大工事になりそう・・・。
さて、あれこれと家族で話し合った結果、やっぱり直して残そうよと。
思い切って展示スペースにしちゃおうよと。
土台が腐ってる上に、昔の石の基礎にのっている蔵を直す。
言葉で言うのは簡単だけれど、いったいどうやって直すのか?
いったんバラバラにするのかな?腐ったとこだけ入れ替えるとか出来るの?
昔の基礎は低いし、直してもまたすぐ駄目になっちゃうんじゃ?
壊さないで家の土台が直るものでしょうか?どうやるのでしょうか?
実は動かしちゃうそうなんです!
家を!てか土蔵なので相当重いと思うのですが、動かしちゃうのです。

いよいよ始まります。
北側の壁を崩してみると、シロアリにやられたか、
柱がすかすかのウエハースみたいになっています。
年代物のジャッキで、おいこらしょっと持ち上げていきます。
土蔵を動かす「引き屋さん」はなんと2人で全ての仕事をしています。
木で作られたレールに載せられて、いよいよ動かします。
この日ばかりは助っ人がくるのかと思いきや、やっぱり2人で動かす!とか。
まじですか?!
原始的と言っては悪いのかもしれませんが、鉄のコロにのせて転がします。
特殊な押す道具で少しずつ慎重に動かします。
ここまで全て人力のみです。
さあ、北側へ横に動きました。
また数日後、今度は東側に大きく動きます。
さすがに助っ人が沢山くるかなって思ったら、今日も2人だけ、しかも人力でいくそうです!
今度はこんな道具が飛び出しました。
引き屋の職人さんが1人でひっぱり、1人はコロの調整です。
目の前の光景が現実とは思えません。確かにユックリと動いています。
手前が元あった場所、随分動きました。
 
元の位置に、新しい基礎を作り、土台を作って戻します。
どんなSFの超大作より、目の前の出来事の方がスリリングでワクワクに思えた日でした。
昔話で、借金の形に蔵を取られたなんて話を聞いたことがありましたが、
比喩かなにかなんだと思っていたら、実際持っていっちゃうてことだったんでしょうか。
どうなんでしょう?
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