2008年11月 一覧

大琳派展 ~継承と変奏~

先日、上野の東京国立博物館に「大琳派展 ~継承と変奏~」を見に行きました。

これだけ沢山の「琳派」の作品が集まる機会もそうないというので行きましたが、
あまりの作品の多さに満腹、満足なうえ、平日なのに大混雑で、
もう数年は「おかわりはいりません」と思ってしまいました。
とはいえ、海外のコレクションからも運ばれてきた名作、名品の数々は
「琳派」という数百年の時に耐えた普遍的な美を伝え、
いわゆる日本的というか、
J~とか、サムライジャパンや、クールジャパンなどなど、
日本に居ながらにしてアチラから見たような、
屈折した意識では表現することのできなくなってしまった
「日本の美」の存在を教えてくれているように思いました。
題名にあるように数百年という時の中で継承され、変わりながら、奏でられた、
琳派の美のダイナミズムや完成度の高さは、
移ろいやすい現代の美術や表現では、奏でることが難しいもののように思います。
まぁとにかく、酒井抱一の超絶的な色彩感覚、構図のバランス、
強く伸びやかな筆づかい、繊細な細部、どこを見てもめちゃすごいです。
一人で描いたのか、組織的に描いたのか、詳しくは知りませんが、
いくつもの天才的な才能を持ち合わせた、類まれな人だと思いました。
光悦、宗達、光琳、乾山、抱一、基一、と受け継ぎながらも、
それぞれが強い個性を持ちえたというのは、
今のような、短いスパンの中で人と違うこと奇抜であることを個性的とする、
独り歩きな「個性」のありようを、自分の仕事を含め考えさせられました。
混んでるのがいやじゃなければ、日本の美を感じに、
「大琳派展」に行ってみてもいいんじゃない?、おすすめです。

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吉岡徳仁「セカンド・ネイチャー」展


21_21 DESIGN SIGHTに、吉岡徳仁さんがディレクションした
「セカンド・ネイチャー」展を見に行きました。

この展示は一言でいうと、かなりすごい!!です。
どれくらいかと言うと、ぼくは吉岡さんの作品のある展示空間に入った瞬間、
美しすぎて!あやうく絶命するところでした。
たしか神様が言っていたとかいないとか「人間には二種類の者がいる」と、
それは「セカンド・ネイチャーを知る者と、そうでない者だ」と。
えっ!そうだったの。
よかった~、ぼくは「知る者」ということで。
もしまだ「そうでない者」な人がいましたら、早く見に行ったほうがいいかもです。
こんな美しい体験、なかなかできるものではないです。
超!おすすめです。
ほんとうにず~と居たくなる空間なので、たっぷり時間をとって行ってください。
ぼくは、時間を忘れてぼ~と眺め続けてしまい、
自分が今後表現していく方向に、とてもいいヒントをもらうことができました。
ものづくりを仕事にしている人には、かならずよい刺激になると思います。

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