2007年11月 一覧

厨子三様 ~新しい祈りのかたち~


会津でお世話になったアルテマイスターの新作厨子(仏壇)の展示会が開かれるとのことで、
16日金曜日に六本木にあるGALLEY le bainに行ってきました。

写真の赤い厨子は内田繁さんのデザイン。
他にも著名デザイナーや作家が参加して、
今までの仏壇のイメージを革新する様な作品が並んでいます。
日本の地場産業の中で新しいものづくりを進め、
「新しい祈りのかたち」を創出しようと言う
保志社長の思いがカタチになっていると思いました。

ギャラリーの中庭で行なわれたオープニングパーチー。
内田繁さんや東日出夫さん、坂本朝夫さんなど参加アーティストの他にも、
日々野克彦さんなどもいたりと沢山の人が集まって、とても盛り上がっていました。
美味しい料理に、美味しい食事をいただいて、
いっしょに美しい空間を味わって、なんとも贅沢な時間を過ごしました。
ぼくは祈りをかたちにすることは、とても難しいことだと思います。
ものがあり、祈る人がいて、祈られる人がいた。
ものだけでなく、行為や関係までもかたちにしなければならないと思うからです。
祈ることが日常の中で小さくなりつつある今日、
この展示会の持つ意味は大きなものだと思います。

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三沢厚彦展。


少し前のことですが、三沢厚彦さんのアニマルズPLUSという展覧会に行きました。
群馬県高崎と場所は遠かったですが、めちゃくちゃいい作品展でした。

会場に入るとすぐに巨大なシロクマがお出迎えです。
シロクマだけ、いっしょに記念写真をとるなど撮影してよいとのこと、
この展覧会には他にも来場者を楽しませる工夫が隠されていて、ワクワクします。
こういう工夫、ぼくは大好きです。
この展覧会は全国を巡回していますので、
お近くで開催されていたら是非におすすめ!です。
以前長野の桜華書林というギャラリーで三沢さんの個展が開かれていた時、
ご本人にお会いすることができ、色々とお話を聞くことができました。
すでに大ファンだったぼくは緊張してしまい、
聞きたいこともたいして聞けずじまい。
でも作品集にサインをもらって大満足でありました。
う~ん、こんな素晴らしい作品が作れるようになりたいです。

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ついに!


お世話になっている機械屋さんから「見つかったヨ!」との連絡。
もうかれこれ2、3年待ったでしょうか、ついに来ちゃった!
写真は自動鉋と手押し鉋という木工機械です。
新品はとても買える値段じゃないのだけれど、中古で良い出物があったのです。
定年で仕事を辞める建具屋さんがあったそうで、機械達も引退するところが
有り難いことにぼくの工房にやってきました。
自動鉋は最大加工幅500mm!、手押し鉋は300mm!夢のようであります。
今まで使っていた小型のものでは、いろいろと制約が多かったので、
これで創造の幅も広がるってもんです。
なにせ古い機械なのでいくらか問題はあるものの、
鋳物でしっかり作られたものなので、精度は充分でてくれます。
ようは刃物が回転するだけの単純な機械なので、
最新とか、流行り、などとは無縁なので古くてもまったく問題なしです。
製造年を見ると昭和40年、ぼくがマイナス13歳の時です。
母がまだ高校生だったと思うと考え深いものがあります。
ぼくが仕事を終える時が来たら、また誰かが使ってくれるように大事に使いたいです。
ものをつくる上でいつも考えていることは、
自分が作ったものは、自分より長生きするということ。
想像を飛躍させて物質まで戻して考えれば、
材料としてぼくの手にやって来るまでにも、
何年も何十年も、もしかすると何十億年も前から存在していて、
ほんの僅かな時間をぼくの所で過ごしただけだということ。
材料が作品になって、買って下さった方の手からまた、
誰かの手に渡って行くことを想像して見ると、
もの作ることにどんなに真剣になっても足りないと思うわけです。

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