2007年01月 一覧

鉄コン筋クリート


先日、善光寺さんに初詣に行ったついでに、
映画『鉄コン筋クリート』を見てきました。
松本大洋原作のマンガ版『鉄コン筋クリート』の大ファンなので、
すごく楽しみであり、ちょいと不安でもありました。
(写真左/映画パンフ、右/原作マンガ)
あのシロとクロ(主人公の2人)を松本大洋以外の人が、描くコトなんてできるのだろうか・・・。
でも動いてるシロとクロを見てみたい!
複雑な気持ちでスクリーンの中で動き回るシロとクロを見守りました。
「すごい・・・!」
スクリーンには、松本大洋の描いた「宝町」がほんとうに存在していて、
「シロとクロ」が「ネズミ」が「チョコラ」がみんなが生き生きと、
そこに居るみたいに大活躍していました。
そしてなにより松本大洋が伝えたかった「コト」が、ちゃんと表現されていたと思いました。
よかった、ほんとよかった・・・泣けた・・・。
監督のマイケル・アリアス、あんた最高だよ!感動した!
とても思い入れが強い作品なのであれこれ考えてしまって
これより下の文章はちょいとハズカシげなことを書くので、
鳥肌が立ちそうな人はあっち向いてホイってことで・・・。
クロとシロについては人間の二面性や表裏と取ることもできるけど、
ぼくは単純に「ふたりの愛の物語」のヒーロー・ヒロインなのだと感じる。
複雑なのはシロとクロは2人とも男の子だということ。
松本大洋は『鉄コン筋クリート』『ピンポン』『花男』などの作品で、
一貫して「愛」を男女間でない所に描いている。
「愛」の原型が母子間の愛着であるとするなら、愛は依存関係なわけで、
圧倒的に子が母に依存しているようで、生きる目的としては母が子に依存している。
『鉄コン』では子がシロで・母がクロ、『花男』では子が花男(父)で・母が茂雄(息子)、
『ピンポン』ではちょっと発展していて始めは子がスマイル・母がペコ、
途中から子がペコで・母がスマイル、『ピンポン』では少し曖昧だけど、こんな感じ。
大洋さんは男女間では描き辛くなってしまった「愛」の原型を、
すごく純粋なカタチで表現している。
あまたのラブストーリーが男女の求め合う本能と「愛」を混同させ、
欲求を神聖化してみせても、
欲求は本能であり、「愛」は大洋さんが描き出すようなものだと思う。
ぼくはこの感じがとても好きで、
「恋愛は自立した男と女の関係でなくてはならない」的ないい方が嫌い。
実際ほんとうに自立している人なんているのだろうか?と思うし、
とくに何か秀でている所がある人ほど全然だめな部分があって、
その足りない所は得意な人に頼れば(依存すれば)よいのかなと思うので。
そして自分の得意なことが、相手にとって不得意なことであれば幸運だなと。
松本大洋の作品を読むと、とても気持ちが楽になる。
それは例えば、こんな台詞に出会ったときだ。
ちいさな時からクロに何から何まで世話をしてもらって、服さえ自分で着れないシロが、
自分を守ってくれるクロから引き離された時に、
神様は人間をつくる時に「どしてみんな同じに、つくらなかったか?」と問う。
「デブッちょ、やせっぽっち、ノッポ、チビ助、こわい人、やさしい人、いろいろ。」
「ちっぱいしてんの。神さま、いっぱい。」
神さまはシロをつくる時もかなり失敗してしまったらしく、
「だからシロ、いっぱいネジ無いの。心のネジ・・・」と言い、
「それでクロね、クロもね。いっぱいネジ無いの。心のネジ。」
どうやら神さまはクロのことも失敗してしまったらしい、
「でもクロの無い所のネジ、シロが持ってた。シロがみんな持ってた。」と話してくれた。
気持ちが楽になるのは、この感じが腑に落ちるからなのね・・・きっと。
あれ、なんかロングブログになってしまった。
まだ書きたいコトがあるので、また今度につづく・・・。

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やっぱり寒い。


製図が完了し、配色も決定、今日から木取りを始めました。
木取りというのは、この作品に使う材木を在庫の中から探す作業です。
サイズが合うものを探すのはもちろんですが、
寄せ木の場合は、はり合わせる木の色の相性が重要です。
色合いはよいのにサイズが足りない「帯に短し襷に長しぃだぁ~。」
などとブツブツ言いながら木を選んでいます。
それにしてもブツブツ言う口も動かしずらくなるくらい寒い!
最近ストーブをつけれる仕事をしていたので、体が慣れていないのかすごく寒いです。
製材をする場所は日が当たらないし、ストーブつけてもほとんど意味ないので
耐えるか、慣れるしかない感じなんです。
いつの日か、ぬくい工房を建てられたらいいなぁと願っちゃいます。

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初詣で。


今日は、長野市の善光寺さんに初詣に行ってきました。
人の多い日は避けようと、10日にしたのだけど
寂しくなるくらいすいていて、これはこれで風情がないなぁ。
おみくじを引いたら、末吉でした。
ビミョウですね。
全体的に春までよい事はないけれど、まぁがんばれよと書いてありました。
なぜだか「職は木か金に縁のあることよろしかるべし」とのこと。
えっ、なんで知ってるの!?木の的中にはビックリです。
それにしても金「かね」にまったく縁のない仕事ってあるのだろうか?
縁の大小はあるにしても、無縁だったらこわいですよね(それはボランティアなのかな)。
金「きん」と読むべきなのかもしれないけれど・・・。
それともあれか、木か金かどちらか選べ的な、わりかし深めな問いなのだろうか?
なにはともあれ、さすがは国宝善光寺さん。
今日はずいぶんオシャレ?をしちゃってるんで、どうしちゃったのと思ったら、
今年は本堂再建から満三百年なのだそうです。
そしてこれは「五色幕による本堂の荘厳」という、お祝いのお召し物だそうです。
2007年は信州善光寺が熱い!
・・・んじゃないかな。

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